子供が成長すると一つ一つ親も卒業するものがあります。例えば、子供の習い事、子供同士の遊ぶ約束、病院の付き添いや塾への送り迎え等数えだしたらキリがありません。我が家は次男が高校最終年度を迎え、色々と卒業してきました。その中でも次男の卒業を前に一足早く卒業したものがあります。それは「PTA」です。
私は大よそ10年前に長男が小学生の時に「PTA」デビューしました。私が最初にPTAを引き受けた感想は「これは大変だ」でした。まだオンライン会議が夢物語だったあの頃、PTAの集まりはすべて対面。休みを調整する度に、心の中で「勘弁してくれ!」と叫んでいました。そこで、夫さんに「これからはPTAを順番に引き受けよう。今年は私がやったから、次回は夫さんやって!」と、まさに暴君ネロばりの絶対命令を下したのです。
その後、ルール改正を加えつつ、夫婦で引き受けた回数は合計5回。3対2で夫さんが私より一回多いという私は栄えある敗北を期したのです。最後のPTAは昨年度。次男は高校2年生でした。ある日次男は封書をもって帰ってきました。封書には「内田〇〇保護者様」とあります。訝しりながら開けてみると
「この度は××高校PTAに立候補頂きありがとうございました」と謎の怪文書が。全く訳がわかりません。2枚目は
「内田○○保護者様をPTAに推薦頂きました。尽きましては・・・・」とあります。2枚の怪文書?
疑問符だらけの顔で固まる私を見て、次男は涼しい顔で一言。「で、今回はどっちがやるの?」その瞬間、私はすべてを悟りました。
「今回は夫さん!だってママは次男が中3の時に抽選会に行って外れたじゃん!だから今回はママじゃないはず!」と申したてました。そこで、即座に二人で結託して夫さんにどう知らせるか密談し、風呂上がりの最高な気分の時に目に留まる様にさりげなく置いておこうとなりました。
仕込みは十分、風呂上がりでさぞや驚くだろうと待つ事数分。あ、お風呂出てきた。そろそろ気が付く頃?と待つ事さらに数10分。全然音がしません。どうした?気絶でもしているのか?と心配になった数分後、お風呂から出てきた夫さんがソロソロと階段を上がってくる気配が。「あのー、これ、全く意味が分からないんだけど?どういう事?」その顔は、本当に疑問符でいっぱい。人間って本当に理解不能な時、こんな顔するんだ…なんて感心している場合じゃない。私と次男は顔を見合わせ、ついにこらえきれず爆笑しました。
次男と二人で「いやー、夫さん、いつの間に立候補?」「すごい!サプライズ?!やる気満々?!」とおだてたら、どうやら事態を理解した模様。夫さん「これ、何?もしかして単純に抽選されたって事?いつの間に?」いつの間にだが、床の間だか分かりませんが立候補しなくても勝手に立候補されちゃって抽選も当たったって事じゃん?という事になり、夫さんガックリと肩を落としました。
それから1年間同じPTAのお母さん達のサポートを受けながら責務を果たし、オヤトモ(親になって出来る友達)も出来て中々面白い1年だったようです。だた、次年度役員選出のお知らせを配布する段階になって「立候補云々。。。。。」の知らせは排除しようと声があがり、速やかにその意見は通ったそうです。さぞかしあちらこちの家庭で大混乱の嵐を引き起こしたでしょう。
ちなみに、あの「怪文書」を最初に受け取った次男、家に帰る道中、「なんだこれ!こんな面白いことを、なんで黙ってるんだ!」と、ひとりでニヤニヤしていたそうです。まさに、この騒動の仕掛け人は彼だったのかもしれません。中々の策士。世の中渡っていけそうです。
レジリエンスラボ ウチダ 内田早恵 2025年7月19日
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