皆さんの好きな物は何ですか?趣味は何ですか?初対面の時やちょっとした雑談のきっかけとしてなされる質問ですよね。直ぐに沢山答えられますか?好きな事を仕事にした方がいいから熱中できる何か、好きな事を見つけよう、とよく言われます。
私は食べる事が大好きです。流石に50を過ぎてから世間でいう、「代謝が落ちてきた」事を自覚し、食べられる量も減ってきました。寂しい限りです。私はグルメではありませんし、高い食材や嗜好品を沢山買える程の余裕はありません。ですので、ごくごく普通に食べる事を楽しんでいるだけです。しかし、食に対する執着心が強いのか、本や漫画や映画等はグルメ系に偏りがちです。
趣味というより、もやは専門家?!という知識をお持ちの方もいらっしゃいます。熱中できる位好きな事があるのは大変素晴らしい事です。人生を豊かにします。売れるのではないか、という腕前をお持ちの方もいらっしゃいますね。そういう方達を見てしまうと、自分が好きな事は「趣味」って言っていいのだろうか、と思ったりします。よく「趣味って言える程のものではないんだけど。。。」と断りを入れる人もいますね。その気持ちはよく分かります。
私は自分の趣味を堂々と言えずにいました。でも、自分の好きな事に救われた事があります。私は復学した大学の授業で「サブカルチャーとジェンダー史」という授業を受講しました。課題の中で自分の好きな作品をジェンダー史の観点から分析するというものがありました。その課題でこの写真にある漫画を取り上げました。正直、提出した課題の評価はあまり高くなかったのですが(私の学力のせいです)課題をこなすのがとても楽しかったのを覚えています。自分に好きな事があってよかったと思った瞬間でした。それから堂々と漫画が好きですって言えるようになりました。自分の趣味が勉強の役に立つなんて思ってもみませんでした。人生って思いがけない事がおきるものです。趣味とか好きな事とかが将来に役立つかどうかなんて分かりません。分からなくていいんです。大切なのは好きな事を堂々と好きだ、楽しい、趣味です、と思える事、言える事です。好きな事が見つからない、何をやっても楽しく思えない人はものすごく心が疲れてしまっている可能性があります。いつもならやっていて楽しいと思える事が楽しくないと思う時もあります。そういう時は先ず自分を休ませてあげましょう。頑張れない時はあります。楽しいと思えない時だってあります。その事に気が付いたらむしろチャンスです。気が付かないでそのまま生活を送ると心が風邪を引いてしまう可能性があります。
「楽しい」「嬉しい」と思える自分になる時まで少し怠けて下さい。いつも自分がやらなきゃいけないとされているタスクを放棄してもいいです。好きな事を楽しめる自分を取り戻すまでそれでいいんです。特別な事はしなくてもいいです。日常生活を少し楽して送るだけでいいんです。日常生活には「小さな楽しい」が沢山あるはずですから。
2024年12月7日 レジリエンス・ラボ ウチダ 内田早恵
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